現代社会は、何かとストレスを抱えがちです。
時として、メンタルヘルスにトラブルが生じてしまうこともあります。
うつ病は、代表的な心の病です。
家族の誰かがうつ病になってしまったとき、
間違った対応でさらなる重圧をかけたりすることがないよう、正しい知識を身につけましょう。
目次
うつ病は、ずっと以前から存在する病気です。
しかしながら、この病気に対して正しい知識が広まっておらず、
周囲の無理解から苦しむ患者が大勢いました。
典型的な誤解が、「心が弱い人がなる病気」というものです。
そうではありません。
私たちは、日頃から様々なストレスに晒されています。
ストレスから受けるダメージは、本人の根性や前向きさで払拭できるような簡単なものではないのです。
うつ病は、心の病です。
家族や身近な人がうつ病と診断されたら、
まずは思いやりを持って、この病気について勉強することが大切です。
うつ病患者に対して最もしてはいけないことは、「責める」ことです。
「うつ病だと言われた」に対して、「なんで?」とか「どうして?」などと聞き返すのもNGです。
そう聞き返されたら、本人は「責められている」と感じてしまいます。
逆を想像してみてください。
あなたが「風邪ひいちゃった」と言ったのに対し、
「なんで?どうして?」などと聞き返されたら、
あなたの不注意では?と暗に責められている気がしませんか?
批判はせず、受け入れてあげてください。
可哀想だから、と腫れ物に触るような扱いも、うつ病にとってはよくありません。
うつ病患者は、基本的に、うつ病になってしまった
自分の弱さを内心で不甲斐なく思ったり、罪悪感を感じています。
普段と明らかに違う優しい態度で接すると、
「気を使わせている…」と負担に感じてしまう可能性があります。
あるうつ病患者は、
「家族がごく普通に接してくれて救われた」
と言っていました。
うつ病のときには、正常な判断力を失っています。
車を買う、引っ越しをするなど、大きな決断をさせてはいけません。
気持ちが高ぶっている時は、金額を気にすることなく購入してしまう傾向があります。
うつ病は、完治までに時間がかかる病気です。
休職して治療に専念している場合、
「いつまでに治るのか?」と気になってしまいますが、
それを患者本人に聞いてはいけません。
「まだ治らないなんて、何をやっているんだ」と
自分を責める言葉に変換してしまう危険性が高いです。
「いつかは必ず治るよ」くらいの大らかな気持ちで構える鷹揚さが、うつ病の家族には必要です。
うつ病の症状は、投薬治療で治すことが出来ます。
しかし、回復の過程は個人差があり、
よくなったかと思えばまた悪くなったりと、交互に繰り返す場合もあります。
実は、ちょっとよくなったときが最も危険です。
うつ病は、自殺の危険性が高い病気だからです。
患者本人は、うつ病が続くことに対して罪悪感があり、
頑張って治そうとします。
その頑張りが仇となり、自殺の衝動を喚起してしまったり、
悪化を招くケースが非常に多いのです。
経過をよく観察し、頑張り過ぎないよう注意してあげてください。
ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫) [ 細川貂々 ]
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うつ病は、誰でもがなり得る病気です。
一度なると、少々厄介な病気ですが、
現在は効果のある薬もあり、必ず治る病気と言って差し支えありません。
うつ病を治すには、家族の支えが不可欠です。
是非正しい知識を身につけて、患者さんをサポートしてあげてください。
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